今使っているサービスが未来永劫存在する。そんな風に思っていないだろうか。いや、思っていなくても、今使っているサービスが使えなくなる時が来る、ということを考えたことはないのではなかろうか。
いつかサービスが使えなくなる、と考える重要性について書いておこうと思う。
様々なサービス
現代に生きる人はかなり多くの「アカウント」を持っていると思う。サービス毎にアカウントを作らされるからだ。通販であったり、動画視聴であったり、最近では生成AIのサービスを利用する、といったようなことでもことごとくアカウントを作成させられる。
一昔前はメールアドレスとパスワードの組み合わせでログインすることが多かったが、最近はOAuth2.0を使って他社アカウントでログイン、ということができるサービスも多くなってきた。
さて、このログインしているサービス、仮に生成AIのサービスとしよう。この生成AIのサービスが終了するとどうなるか。そう、その生成AIのサイトにログインすることができなくなり、サービスが利用できなくなる。ここまでは想像の範疇だろう。今回話をしたいのはそのレベルのことではない。
1つのアカウントに依存していないか?
ここで問いたいのは、同じメールアドレスを使っていないか?ということ。仮にGoogleアカウントをよく使う人であれば、
Googleのメールアドレスで通販のサイトに登録
GoogleのメールアドレスでVPSの契約
Googleのメールアドレスでゲームのアカウント作成
Googleアカウントで生成AIのサービスにログイン
こんな感じで1つのアカウントに依存したものを作っていたりするのではなかろうか。これは依存度が高く、危険な状況であると言える。
Googleがすぐに無くなる、というのは考えづらいが、いずれ無くなる可能性はゼロではない。それよりも考慮すべきは「アカウント停止」だろう。可能性の話をしだすと、某国のような「金盾」が作られてアクセスできなくなる可能性等も考えられるが、一旦ここでは「アカウント停止」時の話をしようと思う。
もしアカウントが停止されたら
Googleアカウントが停止された場合、Gmailも使えなくなるだろう。そのGmailを使ってアカウントを作成していたサービスは、継続して利用できるだろうか?
メールアドレスとパスワードの一致だけでログインでき、メールアドレスの変更も容易であれば大した問題はない。困るのは、Gmailにアクセスしないとログインやメールアドレスの変更ができないようなサイトである。
例えば、ログインしようとした時に登録したメールアドレスにログイン用のURLが送信されるサイトが存在する。URLではなく、認証コードが送信されるようなサイトもある。
このようなサイトの場合、メール内容を確認することができないので、ログインすることができなくなってしまう。再度ログインするためにはそのサービス提供元へ個別に事情を説明し、対処してもらう必要がでてくるだろう。OAuth2.0を使ってログインしていたサイトも同様だろう。
そして、すべてのサイトでそのような個別対応をしてくれるとも限らない。対応してもらえなければ、以前使っていたアカウントは永久的に使えなくなってしまう。
Googleアカウント1つ停止されただけで多大なコストが発生することがわかるだろう。
リスクを減らすためには
では、アカウント停止のようなことが起こった場合に被害を抑えるためには何をすればいいのか、という疑問が出ると思う。
これに対する一つの回答は、自分のドメインを持つことであると思う。メールサーバーを適当に契約するなりして、独自ドメインでのメールアドレスを作成し、それをサービス登録時のアカウントとして利用する。
支払さえきちんとしておけばドメインが使えなくなることはまずないだろう。ドメインは移管もできるので、特定のレジストラに依存しつづける必要もない。ドメインのレコードが書き換えられればメールサーバーも自由なものに移転できる。
このように、ドメインを取得してメールサーバーを運用すれば、1つのサービスに対する依存度をかなり下げることができる。
ただし、手間もお金もかかるので、万人に勧められるものではないと思う。
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